事務局の岩田です。情報のご提供ありがとうございました。
まず、営巣場所に関する情報ですので、当方で伏字にさせていただきました。ご了承ください。
お知らせいただいた場所は電柱への営巣と思いますが、
その場所については当会も把握しており、県でも把握していると伺っています。
コウノトリに限らず、電柱での野鳥の野鳥の営巣により、
例えばカラスが運んだハンガーや、スズメのヒナ等を狙ったヘビなどによって
漏電や停電などが発生する恐れがあります。
そのため、これまでも、電力会社は営巣させない工夫や、
毎年春先にカラスの巣の撤去を行っていると伺っています。
特にコウノトリの巣は大きいため、巣材等による断線などの可能性もあり、
やはり地域に電気を供給する電力会社としては、撤去しなければいけない立場にあると承知しています。
もし、コウノトリの巣を残したことで万一停電した場合、地域の生活に大きな影響が生じるため、
影響を受けた地域の方は、コウノトリの巣を放置していたから大変なことなった、と電力会社やコウノトリに対して批判的な立場になることもあり得ます。
また、停電を復旧するためにはコウノトリの巣近くで作業をしなければならず、
コウノトリが卵を産んでいたりヒナがいれば、それを放棄させることになってしまいます。
早めに撤去すれば、コウノトリが別の営巣場所を探すチャンスもありますが、
卵を産んだ後では、そのシーズンに、もう一度繁殖する機会も失ってしまいます。
コウノトリが絶滅の危機に瀕する前は、
マツなどの太くしっかりとした高木の上に営巣していましたが、
現在、そのような環境はありません。
コウノトリの個体数は回復傾向にありますが、コウノトリの営巣環境が回復したわけではなく、
現在は、コウノトリが、現代社会の中でどのように営巣場所を確保するか、共存に向けての試行錯誤の段階と思っています。
今回の場所につきましても、複数の電線が交差する場所であることや、
交通量が多く、仮にヒナが生まれても、残念ながら、車や人の往来によって放棄する可能性が高いのではないかと思っています。
本会としては、当然ながら、コウノトリが繁殖できることが重要と考えていますが、
一方で、コウノトリがこれから香川県で継続して繁殖していくためには、
確実に巣立ちまで至れるような営巣できる安定的な環境で、地元の方々に受け入れられることが欠かせないと思っています。
引き続き、いただいた情報を県と共有しながら、可能な方法を探っていきますので、ご了承ください。